エルゴポックオリジナルの通称「ワキシングレザー」を製造するタンナーの内部をご紹介。オリジナルで製造しているため、定期的に視察に訪れ品質チェックやアップデートについての打ち合わせも行います。一部は社外秘のためお見せすることはできませんが、皮から革になる過程やワキシングレザーについて理解を深めていただければと思います。
タンナーに届くのは食肉加工の副産物として出た牛皮です。毛付きのまま防腐処理がされた状態で届きます。そこからなめす前の下準備として、石灰を用いて脱毛し、その他不要な部分を取り除き皮を整えます。
この大きなドラムで鞣しや染色といった各処理を行います。ワキシングレザーはクロムとタンニンの混合鞣しとしています。まずはクロムで鞣します。クロム鞣しを施すとウェットブルーと呼ばれる青白い状態で上がってきます。その後、最低量を残しクロムを取り除き、タンニンで再度鞣します。この鞣しを経て皮→革に変貌を遂げます。
クロムでしなやかさと扱いやすさを付与し、タンニンで鞣すことで革らしい経年変化も期待できる万能なレザーです。
下染めやオイルを入れたり必要な処理を施した後、ワキシングレザーならではのアンティーク加工の工程に入ります。ベースカラーの上にさらに濃色を載せていくこの作業ですが、実は手作業でおこなわれており同じ個体は存在しません。
その後ワックスを塗布し表面を整え、自然乾燥させて完成します。
使用していくとワックスが馴染みレザーにツヤが出てくることでアンティーク加工のムラがより美しくなります。
経年変化を楽しみながら長らくお使いいただけるレザーです。このワキシングレザーで作られたアイテムは正にオンリーワンのアイテムとしてお楽しみください。